UKF Kickboxing オフィシャル・ル―ル


 

 

第一条 [試合場]

試合場は四角形のロープ付きのリングで、UKFが適正と認めたリングを使用するものとする。

 
         

第二条 [計 量]        

計量はプロモーターが指定した日程、時間で行い、規定体重をオーバーした選手は失格となる。

但し、計量後二時間以内に規定の体重まで落とした選手は出場を認める。         

 
                 

第三条 [服装規定]       

 ①選手は、開会式などでリングに登場する際には、清潔できちっとした服装を身につけなければならない。       

 ②選手の試合コスチュームについては、膝上にかからないトランクスを着用とする。              

 ③3名のコーナーマンは出来うる限り服装を統一し、選手と共にチームウェアを着用する事。よれよれのジーンズ等、だらしのない格好でのセコンドは認められない。       

 ④対戦相手を負傷させる恐れのある物の着用を禁止する。サポーター類の装着に関しても、必ずレフェリーのチェック及びサインを必要とする。レフェリーが危険であると判断した物に関してはその装着を認めない。


第四条 [グローブ及び防具]         

 選手は、主催者が用意しUKFが適正と認めた規定のグローブを着け、ファールカップ及びマウスピースを着用する事。         

 また、コンタクトレンズを装用しての試合出場は禁止とする。アンクル(足首)サポーターは着用可。

      
           

第五条 [拳へのテープとバンテージの使用について]       

選手は両手にテープとバンテージ以外のいかなる素材をも着用してはならない。テーピングにより拳を固めることは禁止するが、拳間接のへこんだ部分凹に細いテープを貼ることは可。拳の出張った部分凸にテーピングをしてはならない。

テーピングは必ず試合場に到着してから着用し、係員のサインをもらうこと。一旦サインをもらったら、試合が終わるまでテープとバンデージを変えてはならない。              

    
            

第六条 [その他のテーピング]       

 選手は、負傷などの理由により、その負傷部分を保護する目的でホワイトテープ・伸縮性のテープの着用を認めるが、ドクターならびにレフェリーによる事前のチェック及びレフェリーのサインを必要とする。       

 チェック済みのサインが無い場合、選手はそのテーピングを取り外さなければならない。       

 また、鼻孔拡張テープの使用も禁止とする。

   
     

第七条 [グローブチェック]       

 選手は、グローブを着用する前に各自テーピング・チェックを受け、係員の立会いのもとにグローブを着用すること。係員はグローブの手首部分に巻いたテープにサインをして封印する。このチェックを受けた後は試合が終わるまでグローブを外してはならない。       

 もし封印を解いた痕跡がある場合、選手は再度グローブチェックを受けなければならなく、また場合によっては失格となる可能性もある。        

   
        

第八条 [マウスピースについて]       

試合中選手の口からマウスピースが落ちてしまった場合、原則としてはレフェリーがこれを拾いその場で選手に再び装着させる。また、レフェリーは状況判断により、マウスピース脱落を反則とみなし、第十五条の規定に従い処理することができる。 



第九条 [オイルやワセリンの使用について]       

 顔に最小限のワセリンを塗る事は認めるが、それ以外の何物もつけてはならない。ここで言う『最小限』とはレフェリーが許可する範囲の量と解釈する。       

顔への多量のワセリンや、顔や身体にオイルやワセリンを塗られたままでの試合は認めない。その場合は、必ず拭き取らせる。         

  
        

第十条 [試合時間及びラウンド数]         

 ①試合時間及びラウンド数は、主催者の意向と選手のレベルを考え、以下の形式が認められる。

 試合時間:   1ラウンド2分あるいは3

ラウンド数:  3ラウンドから5ラウンド

但し、タイトル・マッチは3分5ラウンドとする(女子の場合は2分も可)

延長戦:                       トーナメントのみ、最大1ラウンドの延長のみが認められる。 

 ②ダウンの時、レフェリーのカウント中にラウンド終了時間に至った場合は以下の様に処理する。

 a)最終ラウンド以外については、ラウンド終了間際のダウンカカウント中の場合、タイムキーパーはラウンドが終了してもカウントが継続していれば終了の合図はしない。よってカウントがストップした時点でラウンドは終了となり、10カウントが入ればKOとなる。

 b)最終ラウンドについてはダウンカウントの途中であってもタイムキーパーは試合終了の合図を行い、試合はその時点で終了する。

   (最終ラウンドのみ、ゴングに救われる)

 c)最終ラウンドとは、判定を決する前のラウンドの事を言う。よって延長戦も最終ラウンドと同じ扱いとする。

 

 

第十一条 [判定基準]

 ①ダウン数

 ②有効打(クリーンヒット)

 ③手数・攻勢店(アグレッシブ度)

 ④試合コントロール(リングジェネラルシップ)  

 上記の順にこれを採点し、優勢の方の選手を常に10点とし、劣勢の選手から減点していく採点方法を取る。  

 消極的な動き、態度はマイナスポイントとなる。  

   

 採点表(1ラウンド中)  

10-10

有効打、手数、試合コントロールに優劣がない場合

 

 

 

10-9

②有効打:クリーンヒットで、相手をぐらつかせたり、ダメージを与えた場合。

③手数・攻勢点:明確なクリーンヒットは認められないが、手数や攻勢さで上回った場合。

1回ダウンを喫しているが、上記2点で優っている場合。

反則攻撃などでレフェリーからレッドカード減点1が与えられた場合。

フラッシュダウン(1)1回あった場合。

10-8

 

ダウンが1回あった場合。フラッシュダウンが2回あった場合。

フラッシュダウンが1回、及び有効打または攻勢点による優劣あるいは減点が1回あった場合。

 

10-7

 

片方にダウン1回、フラッシュダウン1回があった場合。

片方にダウン1回、及び有効打または攻勢点による優劣あるいは減点1回があった場合。

ダウンが2回あった場合。

            

(1)フラッシュダウンとは、相手の攻撃によってダメージが深くダウンしたのではなくバランスを崩して足の裏以外(グローブ、ヒザ、でん部など)がキャンパスに着いたことを言う。フラッシュダウンと認められたものは、試合再開前にレフェリーがリングアナウンサーに宣言する。 

  
 

第十二条 [勝敗の分類]  

 ①判定  

 ノックアウト、テクニカルノックアウト、失格にする勝敗が決定しない場合に、ジャッジ3名による判定をとり、最終ラウンド終了後に各ジャッジのポイントを集計して、ポイントが多い選手を勝ちとし、2名以上のジャッジの同意によって勝者を決定する。  

 ②引き分け  

 a)審判員の採点基準によって、勝敗が決定しない場合。  

 b)両者が同時にダウンし、カウント9以内に立ち上がらなかった場合。  

 ③ノックアウト(KO)  

 a)ダウンして10秒以内に立ち上がれなかった場合。もしくは10秒以内に立ち上がれないとレフェリーが判断した場合。  

 b)10秒以内に立ち上がっても戦う意志が無い、あるいは戦えないとレフェリーが判断した場合。  

 c)1ラウンド中に3回のダウン(トーナメントにおいては、決勝戦以外は2回)があった場合。  

 ④テクニカルノックアウト(TKO)

 a)負傷(原因が双方の偶発性による場合)の為、試合続行不可能とレフェリーが判断した場合。

 b)試合進行中セコンドがタオルを投入した場合。

 c)レフェリーストップ

   選手の一方が著しく優勢で、劣勢な選手が危険な状態とレフェリーが判断した場合。

   また、選手の一方が著しく優勢な場合は、主審の判断により試合終了を待たずに勝者を決する事が出来る。

 d)ドクターストップ

   大会医師が選手の負傷、あるいは大きなダメージにより試合続行不可能と判断した場合。

   特に選手がダウンして大きなダメージがある場合、大会医師は協議の上、試合終了の合図をさせることが出来る。

   

 

 

第十三条 [延長戦](トーナメントのみ)

 第十二条②項により引き分けの裁定が出た場合、トーナメント戦においては必ず勝者を決定する必要性があるため延長戦を行う。

 その場合ジャッジは、全ラウンドの優劣を考慮に入れ、微差でもどちらかに勝敗をつける採点を取る。

 

 

第十四条 [有効技]

 試合において次の技を有効とする。

 パンチ    トランクスのベルトより上部へのストレート・フック・アッパー・バックスピンブロー

 キック    前蹴り・ローキック・ミドルキック・ハイキック・サイドキック・バックキック・踵落し、内股への蹴り・膝蹴り及びこれらを使った跳び蹴り。

 但し、バックスピンブローに関しては、下記の制約を設ける。

 a)グローブの手首が折れ曲がる部分より先のみを有効打撃部分とする。

 b)試合の流れの中で偶発的に有効打撃部分以外が相手選手にあたり負傷した場合、原点あるいは失格の対象になる。

 

 

第十五条 [反則技]

 a)試合においては以下の技を反則とし、反則には注意・警告または減点が与えられる。

 試合中に最初の注意のみ注意2回で警告1となるが、以後は即警告1が与えられる。警告2で減点1とする。これは全ラウンドで通算する。試合中に減点3になると失格となる。但し、反則に関して、レフェリーが不可抗力であると判断した場合はこの限りではない。また、悪質な反則においては、レフェリーは即失格を命ずることができる。

 ①頭突きによる攻撃

 ②肘による攻撃

 ③金的への攻撃(膝蹴り及びパンチに関しては、スパッツのベルトの部分よりも下への攻撃はローブローとして反則を取る)

 ④レスリングや柔道などの投げ技、関節技を使う事

 ⑤サミング、喉へのチョーク攻撃、及び相手に噛み付く事

 ⑥倒れた相手、起き上がろうとしている相手に攻撃する事

 ⑦レフェリーのブレイクがかかったにも関わらず相手を攻撃する事

 ⑧攻撃であれ、防御であれ、ロープを掴む事

 ⑨相手又はレフェリーに対する侮辱的、あるいは攻撃的言動

 ⑩パンチによる後頭部への攻撃(後頭部とは、頭の真後ろの部分を言い、側面、耳の周りは後頭部とみなさない)

 ⑪故意に相手選手をリング外に落とそうとした時

⑫試合の進行を乱す行為があった時

a)自分からリング外に出た時。

  b)マウスピースを故意的に落とした場合。

  c)再三頭を低くして相手の懐に飛び込む行為は、バッティングを誘発するものとして注意を与える。

  d)攻撃を伴わないホールディングや技の掛け逃げが度重なり、消極的であると判断された場合、レフェリーは注意、警告、減点を 取る。尚、技の掛け逃げとは、攻撃の後すぐに相手に組み付き攻撃を意図的に中断してしまう行為である。

  e)選手がカウンター狙いなどで攻撃の手数が少なく、消極的であると判断された場合も注意や減点の対象となり得る。

 

 

第十六条 [首相撲の展開について]

 ①UKFでは、離れての打撃による攻撃を奨励するため、首相撲は基本的に認めない。対戦相手の頭や首、または肩に片手以上を掛けて攻撃する際は、組んで瞬時に攻撃へ発展しない場合は直ちにブレイクとする。クリンチの状態で両者膠着状態になった場合、レフェリーの指示により速やかにブレイクすること。

 ②再三の首相撲やクリンチは、第十五条⑫項イエローカードd)の規定に該当し、反則の対象となる。

 

 

第十七条 [失格]

 次の場合選手は失格となる。

 ①故意に反則を犯し、レフェリーが失格を宣言した時。

 ②試合中、レフェリーの指示に従わない時。       

 ③試合出場時刻に遅れたり、出場しない時。       

 ④粗暴な振る舞い、悪質な試合態度とみなされた時。       

 ⑤レフェリーが、選手の戦意喪失と判断した時。       

 ⑥警告2回で減点1とし、試合中に減点が3になった時。       

 ⑦大会医師の診断を受け、その結果出場不可能とみなされた時。       

 ⑧試合ラウンド中に、コーナーマンがリング内に入ったり、選手に触れた時。       

 ⑨その他、試合規定に違反するとみなされた時。       

 この項目に該当した選手はファイトマネー、賞金の一部をプロモーターへ支払わなければならない。       

 試合中の失格・・・ファイトマネーの70%/試合前の失格・・・ファイトマネーの100%       

   
     

第十八条 [制裁]       

 レフェリーや相手選手、セコンドへ暴言や悪質な行動があった場合は即座に減点1とし、ファイトマネーと賞金の10%を       

 プロモーターへ支払うものとする。       

        

        

第十九条 [負傷1

 選手が負傷した場合、試合を継続させるかどうかは、大会医師・レフェリーが協議の上決定する。

 

 

▼第二十条 [負傷2

 第一項 選手が負傷の為試合を続行する事が出来ない場合は、次の各項によって勝敗を決定する。

     負傷の原因が相手の反則による場合、レフェリーは一定時間負傷した選手を休ませて様子を見るが、それでも選手が回復せ     ず試合続行不可能な時は反則者の反則負けとする。(反則者の失格)

     反則により失格となった選手は、敗者復活として引き続きトーナメント戦に参加する権利を得る事は出来ない。

 第二項 負傷の原因が、負傷者自身の不注意による場合は、負傷した方の負けとする。(負傷者の失格)

 第三項 負傷の原因が双方の偶発性による場合。

     ①試合が成立していない場合

     a)トーナメント   試合を続行できる選手の勝ち扱いとする。

     b)ワンマッチ    ノーコンテスト(無効試合)とする。

     ②試合が成立している場合(試合ラウンド数の3分の2以上試合が進行している場合を言う)

     成立しているラウンドの採点を取り、ポイントをリードしている選手を勝者とする。

     負傷が発生した時間までの採点もジャッジングし判定に加算する。但し、ポイントが引き分けの場合には、

     a)トーナメント  試合を続行できる選手の勝ち扱いとする。

     b)ワンマッチ    引き分けとする。

     ③但し、トーナメントにおいて、ポイントをリードし勝者となった選手が試合続行不可能な場合、

     リザーブマッチ勝者がトーナメント戦に参加する権利を得る。但し、リザーブマッチ勝者が試合を行えない場合、

     対象となるトーナメント敗者がトーナメント戦参加権を得る。

 

 

二十一条 [異議申し立て]

 選手または、所属団体の責任者はレフェリーの宣告及び判定に対して、異議申し立てを行う事は出来ない。

 但し書面による異議申し立ては、大会終了後2週間以内であればこれを主催者に提出する事が出来る。

 

第二十二条 [ダウン]

 ①ダウンとは、攻撃によるダメージにより、選手が足の裏以外の部分を地面に着けた場合を言う。       

 ②ダメージが無くても、選手が倒れて速やかに立ち上がれない時もダウンとなる場合がある。       

 ③選手に明らかにダメージがあり、続けて攻撃を受けた場合にレフェリーが危険と判断した時には、選手が倒れていなくても       

  ダウン(スタンディングダウン)を宣告する。       

 ④首より上への攻撃でダメージを受けた選手の腰が落ちた場合もダウン(スタンディングダウン)を宣告する場合がある。       

 ⑤ダウンカウントは、レフェリーの「ダウン」のコールとジェスチャーに従って進められる。       

  レフェリーの「ダウン」コール後は、場内MCが公式記録員のストップウォッチにより、正確に計られた秒間に従い       

  カウントしていく。       

 ⑤ダウンを奪った選手は、レフェリーがダウンカウントを取っている間は、指示があるまでニュートラルコーナーに       

  待機しなければならない。       

 ⑥ダウンを奪った選手がこの指示に従わない場合、レフェリーはダウンカウントを中断しニュートラルコーナーに       

  移動した事を確認した後、ダウンカウントを再開する。       

    
            

第二十三条 [コーナーマン]       

 ①選手は、チーフコーナーマン1名と2名のセコンド、合計3名をリングサイドに待機させる事が出来る。       

 ②3名のコーナーマンは、ラウンド中は指定された場所に待機しなければならない。       

 ③ラウンド中に選手に指示を出す事が出来るのは、チーフコーナーマンのみとする       

 ④コーナーマンはラウンド中、ロープやエプロンなど、リングのいかなる場所にも手を触れてはならない。       

 ⑤インターバル中にリング内に入れるコーナーマンは1名のみとする。       

 ⑥コーナーマンはラウンド中にリング内に入ってはならないし、選手に触れてもいけない。       

 ⑦リングの各コーナーポスト周辺に、タオル等のも物を置いてはならない。       

 ⑧セコンドアウトのコールがあれば、コーナーマンは直ちにリング外へ出なければならない。       

 ⑨上記の指示に従わない場合、レフェリーはコーナーマンに対し注意を与える。2回目以降の注意には、その度にイエローカードを提示するが、イエローカードを3回提示されると、自動的にレッドカードとなり、指示されたコーナーマンは試合場から退場させられる。

             

        

第二十四条 [メディカルチェック]       

 選手は試合前に必ず、大会医師によるメディカルチェックを受けなければならない。       

 更に、トーナメントの場合には、勝ち上がった選手は必ず試合後に再度メディカルチェックを受ける事を義務付ける

        

第二十五条 [ドーピングチェック]       

 試合の公正を期する為、選手は主催者からの要請があった場合には、ドーピングチェックを受ける義務がある。       

 また、検査の結果、薬物反応が出た場合、選手はそのタイトル・賞金を没収される。              

     

   

第二十六条 [選手の負傷個所への治療について]       

 ①大会医師は、試合続行のため、負傷部分のクリーニング等、簡単な応急処置を取ることが認められる。       

 ②試合ラウンド中のコーナーマンによる負傷個所への治療は認めない。       

 ③インターバル中であっても、テーピングを使用しての負傷個所への治療は認めない。       

     
   

第二十七条 [選手がリング外に転落した場合について]       

 リング外に選手が落ちた時点で、試合時間を止めてドクターチェックを行なう。その間にレフェリーによる協議を行ない、落ちた原因を検討する。       

 ①有効技によるダウンと判断された場合       

 a)試合続行可能な場合       

 ダウン1を採点に入れて、止めた試合時間から試合を再開する。       

 b)試合続行不可能な場合       

 ドクターストップによる、テクニカルノックアウト(TKO)とする。       

 ②ダウンでは無いと判断された場合       

 a)試合続行可能な場合       

 止めた試合時間から試合再開       

 b)試合続行不可能な場合       

 負傷の原因が双方の偶発性による物と同じ考え、第二十条三項に準ずる。

       

        

第二十八条 [合議による問題処理]       

 本大会規定に定められていない問題が生じた場合、レフェリーと主催者の合議によって、これを処理するものとする。   

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